本日、2026年3月25日、世界平和統一家庭連合に対する宗教法人解散命令申立事件につき、特別抗告理由書と許可抗告申立理由書を裁判所に提出しました。
特別抗告理由では、まず、宗教法人法81条1項1号の法解釈について、適正手続保障(憲法31条)違反、信教の自由・結社の自由(同20条及び21条)の侵害並びに国際法違反(同98条2項)を主張し、令和7年3月3日最高裁決定(過料事件)が行った法解釈の誤りを指摘して、憲法判断を求めています。また、公開裁判原則違反(同82条)及び公正な裁判を受ける権利(同32条)の侵害も主張しています。同理由書では、様々な憲法上の主張を展開していますが、信教の自由(同20条)制約場面での「厳格な審査基準」(明白かつ現在の危険、LRA等)適用における違憲判断が最も有力な主張であると考えています(特別抗告理由書「第4」)。こちらについては、通常の憲法感覚を持つ法学者や法曹であれば、大半の方が同意するであろう内容になっていると信じます。高裁が決定文で推測するように、本当に家庭連合信徒らの献金勧誘により未だに不法行為事案が発生し、将来も同様に発生する可能性が高いというのであれば、刑事罰も用意されている不当寄附勧誘防止法をもって対処すれば足りるはずです。それを選択せずにおいて、いきなり解散命令というのは、LRA(より制限的でない他の選びうる手段)の基準に反することは誰の目にも明らかです。この点に関する高裁の説明(なぜ不当寄附勧誘防止法ではだめなのか)は全く説明になっていません。そもそも、同法施行から3年以上が経過していますが、家庭連合に係る違反事例は1件も発生しておらず、高裁が推測する「被害の現在性」及び「将来の発生可能性」の具体的根拠はありません(ただの「推測」に過ぎない)。同法違反事例がないのであれば、同法による抑止措置すら現状は不要であるということになるはずです。それなのに、どこまでも仮定と推測をもって「不当寄附勧誘防止法の措置では効果がなく、家庭連合には解散命令が必要不可欠だ」と強弁する高裁の論理は、完全に破綻しているとしか言いようがありません。
許可抗告申立理由では、高裁決定が「裁判の基本構造」から逸脱し、証拠裁判主義及び自由心証主義に違反している点を指摘しました(先に公開した「解散命令高裁決定の欠陥」で論じた内容)。
上記各理由書及び関連資料を下記添付しますので、ご参照ください。特別抗告理由中に引用した著名な憲法学者小林節慶応大学名誉教授の意見書(当審及び抗告審で各提出)も併せて掲載します。同先生以外にも、今回の高裁決定を読んで「世の空気に流され、宗教弾圧に加担する日本の裁判所」に対する深刻な憂慮・危機感を抱かれた学者、法曹、有識者からも引き続き最高裁宛意見書を書いて頂くことになっています。多くの良識ある方々のご協力に心より感謝いたします。
本高裁決定に対しては、国内外の著名な政治家、学者、法曹、言論人など各界の有識者が多数、新聞・社説及びネット上で厳しい批判の声を次々に上げ、その勢いは益々盛んになっています。最高裁判所が、世間の空気に流されることなく、冷静なる態度をもって「正論」を真正面から受け止め、熟慮の末に賢明なる判断を下されることを期待します。本件が日本国における「信教の自由」・「法の支配」・「法治主義」の重大危機という文脈で、必ずや後世に語られることになる歴史的事件であることを深く認識していただきたいと思います。今後も日本が立憲民主主義国家であり続けることができるかどうかの重大な岐路に立っているということを・・・。もし、当HPをご覧になり、弁護団が渾身の力を投入して書き上げたこれら理由書の行間に込められた「思い」を感じ取っていただけ、「歴史の証人」として賛同と応援の声を上げてくださる方がいらっしゃるとすれば、喜びです。
弁護士 福本修也